読響 第562回
読響 第562回定期演奏会を聴きました。
指揮は、私にとって昔懐かしいゲンナジー・ロジェストヴェンスキー。50年ほど前にレコードでよく聴きました。ムラビンスキー、などと並んで懐かしい名前になります。オケもレニングラードやモスクワラジオなどね。
当時の青年指揮者を今、目の前に見ることができる。これまで全身を見ることがなかったので分からなかったのですが、かなりの長身。指揮台無しで振ります。珍しいね。
指揮ぶりはあまり肩腕は動かさないで、主に手首の振り回しです。手首が殆ど胸の範囲から出ません。
ただし、手首はよく動きます。やや長めの棒を使って、左右上下に棒先はよく動きます。叩きはやりません。腱板断裂でしょうね。
プログラムは、3曲ともショスタコーヴィッチ。
バレエ組曲「黄金時代」
4曲の組曲です。ホルン4,トランペット3、トロンボーン3。木管は各1。イングリッシュ・ホルン、バスクラリネット、ソプラノサックス含む。
弦楽が中心。ところどころ管がエピソードを織り交ぜる。
ピアノ協奏曲は何年か前にNSOでもやりましたよね。同じサントリホールで。その時のトランペットは通常の位置でしたが、今回は指揮者のすぐ下手横。4楽章あります。
ピアノのヴィクトリア・ポストニコワ。大きな女性。これがなかなか繊細な演奏です。右手のタッチがまことに柔らかい。左手は力強いですよ。
交響曲第10番
4楽章構成。演奏時間65分くらいでしたか。半分弱は第1楽章が占める。
低弦が重苦しく奏で、バイオリンが硬い音で引き始める、その後、低弦とともに二次元的な響きになってゆく。やがて管楽器が加わりやっと色彩を伴った三次元的な音空間に鳴ってゆく。低弦による下降音形の重苦しい響き、硬い弦の響き、ピッコロの叫び。一瞬の狂気。管のふざけた踊り。ショスタコーヴィチの企んだアイロニー。
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮)
ヴィクトリア・ポストニコワ(ピアノ)
ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「黄金時代」
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番
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